【WEBセミナーレポート|前編】2021年7月8日開催 「260社のデータから読み解く!『リードは増えた、でも質は下がった…』2021年度のリードナーチャリング3つのポイント」
(本レポートに記載の内容は、2021年7月時点の情報です)
コロナ禍の影響で、営業とマーケティング(以下、マーケ)を取り巻く状況は大きく変化しました。「オンラインセミナーなどのWEBマーケティング施策で、リード自体は増えたものの、その質が低下している」――こうした課題を感じる企業が多い中、いかに効果的なナーチャリングを行うかが、売上という成果を左右しているといえます。
ネクスウェイは7月8日、toBeマーケティング株式会社および株式会社Sales Labと合同で、表題のWEBセミナーを開催しました。調査結果から明らかになったコロナ禍以降の営業・マーケの実態を踏まえ、MAを活用したインサイドセールスの仕組みの構築方法について解説。さらに、Sales Labにおけるナーチャリングの実践例を紹介しました。こちらでは、その様子をレポートします。
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【事例】3割の工数で7割の商談化を実現!Sales Labによるナーチャリング活動の仕組み化
【質疑応答】ナーチャリングに適した商材は?インサイドセールス部隊は必要?
【調査結果】リード獲得数は回復傾向。質の低下にはオンラインセミナーの功罪も
第1セクション「260社からのリサーチから読み解く最新マーケ事情」では、ネクスウェイの新井が、調査データをもとに、コロナ禍における営業・マーケの現状について解説しました。
2020年度における顧客(新規・既存)との接触回数および受注件数は、いずれも減少したという回答が多数。リード獲得状況についても「減った(減った+かなり減った)」という回答が全体の4分の1以上を占めているものの、徐々に回復している傾向が見て取れました。
こうした昨年度の状況を受けてか、今期(2021年度)については、受注件数や売上金額、リード件数の目標が「増える」と回答した企業が多くなりました。ただし、認識されている課題は少なくなく、自由回答の設問では「営業マンの実績差が広がっていく」「(参加ハードルの低いオンラインセミナーの功罪で)見込み客が増えすぎて管理が難しくなっている」「リードの質が低下している」といった声が上がっています。
以上の調査結果を踏まえ、新井は「営業起点でのやり方には限界が見えている」と問題提起。併せて、「潜在リードからいかに成果につなげていけるかが重要になる」と総括しました。
【最新ノウハウ】WEBコンテンツとMAで顧客の関心を把握し、タイミングを逃さず情報提供を
第2セクション「ナーチャリング最新事例とMAの有効性~MA&インサイドセールスで効果的な仕組みを構築」では、1,500社以上のMAサービス導入を支援してきたtoBeマーケティングの小池さんが、MAの観点からインサイドセールスやナーチャリングについて解説しました。
顧客の情報収集方法や購買プロセスが変わり、さらにコロナ禍の影響でマーケ・営業施策の方向転換を求められている昨今、小池さんによると「顧客とのコミュニケーション設計を変えることが不可欠」とのこと。中でも、顧客から問い合わせを受けるタイミングが後退しており、顧客自身による情報収集の過程がブラックボックス化している現状に注意する必要があるといいます。
「ある調査データでは、獲得した見込み顧客のうち、直近での購買検討まで至っていない割合は75%、さらに、その時点でフォローをやめてしまった見込み客のうち、2年以内に競合企業から製品を購入する割合は80%にも上ることがわかっています。このような受注機会の損失を防ぐために、長期的に顧客接点を持って継続的にフォローし、顧客側のタイミングやその時々のニーズに合わせて、適したアクションをすることが重要です」(小池さん)
そこで、MAやCRMなどのツールを活用したデジタルマーケティングが有効になります。具体的には、次のように「誰に×何に関心があるか×何をするか」の組み合わせを考えてナーチャリングを行うべきだと、小池さんは説明します。
誰に
アクションをする対象。CRMやSFAの情報のうち、役職や取引関係(既存、新規)、企業ランクのほか、営業活動や商談の状況などです。
何に関心があるか
MAで得られるWEBサイトの来訪・閲覧状況や、メールのクリック状況などの情報です。「こうした関心を把握するために、WEBサイトやメールのコンテンツを、顧客の関心を計測できるような構成(業界別、課題別など)にすることが大切です」(小池さん)
何をするか
「誰に」と「何に関心」に即した具体的なアクションです。「ナーチャリングというと、長期スパンのシナリオに沿って、メールで見込み客へアプローチするイメージが強いかもしれませんが、必ずしもそれがベストではありません。例えば、『誰に』が重要顧客の役職者で、『何に関心』が、自社が特に注力しているコンテンツであれば、ホットなタイミングでインサイドセールスから架電するなどしたほうが、成果につながりやすい場合もあります」(小池さん)
さらに、より実践的なノウハウとして、toBeマーケティングが作成した3つのシナリオ例も紹介されました。
1.多くのリードからのフィルタリングシナリオ
多数のリストをもとに、リードを自社イベントやセミナーの参加の接触機会へ誘導するシナリオです。フォローメールだけでなく、適宜郵送DMを送ったり、イベントの参加者をキャンペーンに追加して営業のフォローに活用したりするのが特徴となっています。
2.商談中クローズ間近のプログレッションシナリオ
商談中の顧客がWEBサイトに来訪したタイミングで営業に通知し、営業活動によるクロージング率を向上させるシナリオです。「MAでできることと営業でできることを掛け合わせると、より成果につなげやすくなります」と小池さんは強調します。
3.既存顧客からクロス/アップセリングシナリオ
既存顧客向けのナーチャリングシナリオです。顧客専用サイトの来訪・閲覧状況から既存顧客の関心を把握し、関心に即したコンテンツをメールで提供して、クロス/アップセルを狙います。
最後に、小池さんは「シナリオに沿ってナーチャリングメールを送ること自体が目的ではない」と話します。「WEBサイトやメールはあくまで顧客の関心を把握する場。これらを通じて関心を把握したら、アプローチ自体はシンプルに考えてOKです。このような発想のほうが、本来のゴール=成果につながりやすいナーチャリングを行えるでしょう」(小池さん)
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レポート後編では、当日質問も多数寄せられた、ナーチャリング活動の仕組み化についての講演と、質疑応答の内容をご紹介しています。
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