【WEBセミナーレポート:後編】 「260社のデータから読み解く!今後の営業スタイルはどうなる?営業力を強化する方法」
(本レポートに記載の内容は、2021年7月時点の情報です)
売上に直結する営業力の強化は、企業にとって永遠の課題であるといえます。とはいえ、一口に「営業力の強化」といっても、捉え方はさまざまです。商談を成功に導くための、営業担当個々人のスキルアップはもちろん、マーケティング(以下、マーケ)から営業へのスムーズな案件の受け渡しなど、組織として売上を向上させる仕組みも整える必要があるでしょう。
こうした営業力の強化について、ネクスウェイは株式会社Sales Lab、株式会社サプリと合同でWEBセミナーを開催。独自の調査結果をもとに、営業およびマーケの実態について理解を深めるとともに、営業力の強化を「売れる行動の強化」と捉え、具体的な取り組み方を解説しました。こちらのレポートでは、同セミナーの内容をダイジェストでお届けします。
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【テーマ2】営業効率4倍の事例も!インサイドセールスとフィールドセールスの分業・連携の仕組み化
テーマ2「これからの営業組織の形」では、Sales Labの吉川さんが、インサイドセールスとフィールドセールスの連携に関わる仕組みづくりや、組織づくりについてレクチャーしました。
データでも見てきたように、コロナ禍以降、営業の対応範囲は今まで以上に拡大しています。従来の対面営業や商談に加え、オンライン商談やメール・電話による非対面営業のほか、一部のリードナーチャリングなども行わなければなりません。「これらすべてを、従来組織のままの営業担当が対応するのは難しいでしょう。そこで、インサイドセールスとフィールドセールスの分業・連携の仕組み化が重要になっているのです」(吉川さん)
ポイントは、次の2つです。
1.“今”の状況に合った分業&連携スキームを構築
2.営業組織として活動設計・行動管理を行う
1.“今”の状況に合った分業&連携スキームを構築
非対面営業が主流になりつつある昨今では、外勤・内勤という手法での分業はあまり意味をなしません。そこで、マーケ&営業のプロセスを基準にしたインサイドセールス・フィールドセールスの分業が必要になります。
具体的には、インサイドセールスは、リードの選定やリードナーチャリング、関係性構築を担当。フィールドセールスは商談とクロージングを担当、といった形です。「両者の連携のポイント(パスアップ基準)については、BANT条件をもとに、どこまで満たせば案件を引き渡すかを合意形成しておくのがよいでしょう」(吉川さん)
さらに、インサイドセールスをSDR[1] とBDRで役割分担するのが有効なケースもあります。SDR(sales development representative)はインサイドセールスの基本的な役割で、マーケが獲得したリードに対し、継続的なコミュニケーションを通じて興味・関心を把握します。これに対してBDR(business development representative)は、いわゆるABM戦略(ターゲットゾーンを絞り、会社単位で顧客をターゲティングするマーケ戦略)に特化した役割で、ターゲット企業のキーマンへ積極的にコンタクトを取っていくというものです。
以上のように、まずは自社の現状に即した分業&連携スキームをつくっておくことが重要です。
2.営業組織として活動設計・行動管理を行う
さらに、構築した分業&連携スキームが機能しているかどうかを、組織としてマネジメントすることも不可欠。例えば以下のような管理指標を設定して、組織的にモニタリングします。
- フィールドセールス:商談数・商談額
- インサイドセールス:活動数、有効活動数(レスポンスがあったり、顧客から話を聞き出せたりした活動の数)、パスアップ数
- SDR:顧客のステータスアップ数、ヒアリングポイント
- BDR:ターゲットリード獲得数
※一例です。
「これらの指標を個々に追うのではなく、マーケ&営業プロセスの全体を俯瞰する形で管理することが大切です」(吉川さん)
以上のような分業・連携の仕組み化の実践例として、吉川さんは、ネクスウェイの一事業での取り組みを紹介。営業難易度が非常に高く、経験豊富なベテラン営業しか商談を行えないといわれてきた同事業でしたが、Sales Labのサポートをもとに、インサイドセールス担当を新設しました。
具体的な流れとしては、まず、重要度の高いヒアリング項目を整理し、インサイドセールス担当のKPI に設定。続いて、これまで営業担当が行ってきた関係性構築のための活動(興味関心のヒアリング、コンテンツ提供、重要情報の把握など)の仕組み化を進めました。そのうえで、インサイドセールス、フィールドセールス、マーケを含めた年間計画を策定しました。
こうした取り組みの結果、従来はベテランの営業担当4人で創出してきた商談数を、インサイドセールス担当1名で実現できるように。さらに、同事業では過去最高の受注額を達成しました。
吉川さんは「分業・連携の仕組み化や組織づくりが成果に直結することが実証された好事例」だと振り返ります。「この事例をひとつのヒントに、分業・連携の在り方を見直してみてもらえればと思います」(吉川さん)
【質疑応答】営業にインサイドセールス導入をどう納得させる?オンライン商談成功のポイントは?
最後に、セミナーの参加者から事前ないし当日に寄せられた質問に対して、3名の登壇者が回答しました。
Q1:「全部オレがやるんだ!」のような美学を持つ営業担当がいます。インサイドセールスを導入したいものの、なかなかこうした営業担当を納得させられません。
A:まずはスモールスタートで提案してみると、ある程度受け入れてもらいやすくなると思います。ご紹介した事例でも「インサイドセールス担当を1名だけ入れるところから始める」という提案で納得してもらえました。また、重要度の高いヒアリング項目を整理したり、インサイドセールスからフィールドセールスへのパスアップ基準を決めたりする際に、両者がディスカッションしながら一緒になって考えるようにすると、納得感も得られやすくなると思います。(Sales Lab 吉川さん)
私自身、8年ほど前は同じような“美学”を持っているタイプでしたので、この方の気持ちはよくわかります(笑)。解決策としては、営業の課題や分業のメリットを数値で示してみるとよいでしょう。例えば、社内のリード獲得数のデータをもとに「リードが増えており、営業担当がすべてのプロセスに対応するのは物理的に難しくなっているので、役割分担してはどうか」と提案するイメージです。そうすれば、説得もしやすくなるのではと思います。(ネクスウェイ 新井)
Q2:見込み客との雑談中に、聞きたいことをうまくヒアリングするポイントがあれば教えてください。
A:[西東1] オンライン商談になり、雑談から顧客の興味関心を引きだすのが難しくなっていますよね。対策として、ネクスウェイではオンライン商談の前に、事前アンケートへの協力を依頼するようにしました。ヒアリングするポイントが顧客に伝わり、顧客側で事前に回答を用意してくれるようになるので、商談の質が上がります。顧客に手間をかけることにはなりますが、「オンライン商談の場でより有意義な話ができるように」という形でお送りすると、新規顧客も含めて約8割から回答が来ていますよ。(ネクスウェイ 新井)
(まとめ)
売れる行動を強化するための営業教育やマネジメント、組織づくりなどについて深掘りした今回のWEBセミナー。当日参加いただけなかった方も、自社における実践の糸口を見いだしていただければ幸いです。今後も引き続き、ネクスウェイが得たさまざまな知見を、コンテンツとして発信していきたいと思います!
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