オフライン広告とは?種類や効果測定の方法、メリット・デメリットについて解説
見込み顧客の獲得のための広告は、オンライン広告とオフライン広告の二つに分けられます。
インターネットを利用する広告手法が主流になりつつありますが、現在でも業種や一部のターゲット層にはオフライン広告が効果的です。
今回は、オフライン広告とはどのような種類があるのか、メリット・デメリット、オフライン広告の効果測定の方法などを解説していきます。
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オフライン広告とは?仕組みや定義について
現在、インターネットを使用していると、画面の横に広告が出てきたり、動画視聴サイトなどでも広告が流れますが、そういったインターネットを利用した広告をオンライン広告といいます。
それに対して、オフライン広告とは、インターネットを使わずに行う広告のことです。
オンライン広告とは異なり、エリアを絞った配布や、見込み顧客の自宅やFAXに直接届けることができるなど、低コストで見込み顧客への訴求ができるため、現在のマーケティングでも重要視されています。
オフライン広告の種類・例
オフライン広告の種類として主にあげられるのは、以下の5つです。
・4マス広告
・交通広告
・ダイレクトメール
・フリーペーパー、チラシ
・業界紙、会員向け情報誌に掲載する
1つずつの事例や特徴について、詳しく解説いたします。
4マス広告
4マス広告とは、
・テレビ
・ラジオ
・新聞
・雑誌
の4つのメディアで行う広告のことです。
テレビCMやラジオCMなどが主な事例で、コマーシャルと聞くとテレビCMを連想する方が多いのではないでしょうか。
電通が発表している2020年の「日本の広告費」では、日本の広告費が全体で6兆1,594億円で、そのうち4マス広告費が2兆2,536億円となっています。
インターネットが普及する以前から主流であった広告手法で、利用している人数も多く、広範囲で告知ができるので、ブランドイメージを認知させることができるが特徴です。
ただし、広告費や制作費が高額になることが多いことなどがデメリットです。
交通広告
交通広告は、電車やバス、新幹線、タクシーなどの公共の交通機関において、乗り物や駅構内などに看板やポスター、中吊り広告やステッカーなどで打ち出す広告の総称です。
公共の交通機関であることから、信頼性を担保するために鉄道や運営会社独自の基準に基づいて審査をするため信頼感もあることや、繰り返し目にすることで、ブランドの認知や信頼性の獲得につながること、利用者の属性を絞って特定のターゲットを狙って訴求することができるのが特徴です。
公共交通機関の種類にも寄りますが、まとまった予算が必要になることや、効果測定が難しいことがデメリットとしてあげられます。
最近ではそういったデメリットを払拭するため、季節ごとのキャンペーンなどが行われ、以前と比べると気軽に実施できるタイミングが増えました。
また、広告にQRコードを設置し、WebやSNSへの接触率を測る方法での効果測定も行われています。
ダイレクトメール
ダイレクトメールは、郵便やFAXで個人宛てに送られる印刷物のことを指します。
写真を使ったりデザインを工夫することで商品やサービスのイメージがしやすく、自分宛てに来ていることで特別感を与えることができます。
郵便配送でのダイレクトメールは、読まれずに捨てられてしまうことも多く、発送までに時間がかかってしまうことがデメリットとなります。
FAXダイレクトメールは、対象者が受け取った時点で必ず目に入るので、見てもらえる確率が高く、送信までの期間が短いことがメリット。ただしカラー印刷ができない場合が多いことや、受け取り側に紙とインクを負担してもらうことになってしまうのがデメリットです。
フリーペーパー、チラシ
フリーペーパーは、地域に密接した情報が掲載されている紙媒体の広告物です。
新聞に折り込んだり、ポスティング、店舗に直接設置するなどして、無料で手に取れる形で配布します。
地域を絞って配布するため、エリアターゲティングが可能なことや、写真などで直接サービスや商品をアピールできること、クーポンを掲載して来客を促進できることがメリットです。
フリーペーパーを雑誌状にしたフリーマガジンは、一枚もののチラシなどに比べ、比較的捨てられにくく、目を通してもらえる可能性が高いです。また、複数の企業の情報を集約している場合が多いので、安いコストで広告を掲載できることが多い傾向があります。
地域に絞ったターゲティングが可能な一方で、ターゲットと想定していない層にも配布される可能性があることや、1回だけの掲載では認知を広めるのが難しいことがデメリットとして挙げられます。
業界紙、会員向け情報誌に掲載する
特定の業界の読者を対象とした業界紙(専門紙)や、会員登録を方にだけ配る情報誌(会員誌)は、新聞や雑誌状にされた、全国紙では取材できないような情報を集めた紙媒体のメディアです。
業界を絞って広告を掲載することができるため、BtoBのサービスや商品を提供している場合には、業界誌、会員向け情報誌の掲載がよく利用されます。
すでにアクティブな読者が目にすることになるため、反響も大きくなりやすいのがメリットです。
会員誌や業界紙ごとに審査基準が設けられているので、広告の審査が厳しいことと、コストが高くなりがちなのがデメリットです。
オフライン広告を利用するメリット
Web広告を利用する企業が多い中、オフライン広告を利用するメリットはどのようなものなのでしょうか。
オフライン広告を利用するメリットは、以下の3つ。
・エリアターゲティングがしやすい
・業種を絞った宣伝ができる
・露出が保障されている
1つずつ解説していきます。
エリアターゲティングがしやすい
オフライン広告は、アプローチしたいエリアに重点的に広告を出すことができます。
例えば、「新規オープンさせた支店の顧客を獲得したい」「○○駅を利用する人をターゲットにしたい」などのケースには、オフライン広告が最適です。
業種を絞った宣伝ができる
オンライン広告では、個人のインターネットの検索結果や年代などによって広告が表示されることが多いですが、BtoBの職種の場合、業界紙、会員向け情報誌や、ダイレクトメールなどで広告を打ち出すことで、業種を絞った宣伝ができるのもオフライン広告のメリットです。
ターゲットとしていない層への広告は避け、一定の業種の企業に広告を出すことができるので、反響も大きくなりやすいです。
露出が保障されている
オンライン広告を打ち出す際には、多くの人に見てもらうためにSEOの専門知識などが必要ですが、オフライン広告は自然と目に入ることが多く、個人宛てのものは熟読されるわけではなくとも、必ず手にしてもうことができます。
そのため、オフライン広告は、確実に一定以上の人に見てもらえるのがメリットです。
オフライン広告を利用するデメリット
逆に、オフライン広告を利用する際のデメリットをご紹介いたします。
・商品・業界によって向き不向きがある
・広告内容の変更が難しい
・効果測定が難しい
1つずつ解説いたします。
商品・業界によって向き不向きがある
オフライン広告は、特定の地域や施設、駅を利用するユーザーに訴求したい場合や、特定の業種、などには向いていますが、ネットを中心とした事業を展開していきたいときや、ECサイトなどを用いて売買取引を展開したい時などには不向きです。
全ての業種に向いているということではないため、自社の商品や業界にオフライン広告が合っているかどうかの判断が必要になるでしょう。
広告内容の変更が難しい
オフライン広告は、一度出したあとは内容の変更が難しいのがデメリットです。
広告を作った後にミスに気づいてしまったあとは、印刷をかけなおしたり、原稿を作り直す必要がありますので、その分時間もコストもかかってしまいます。
出してしまった後に取り消すことも難しいですので、しっかりとした原稿作成と確認が必要になってきます。
効果測定が難しい
オンライン広告はクリック率やPV数、申込数などで効果測定ができますが、オフライン広告は効果が出るまでに時間がかかることや、基準を明確に設けておかないと、効果測定ができない点がデメリットです。
オフライン広告の場合、不特定多数の方が目にすることになりますが、見た人が本当に購買行動を起こしてくれたのかを確かめるすべが少ないのが現状です。
オフライン広告の効果測定のやり方は以下で解説いたします。
オフライン広告の効果測定のやり方
オフライン広告の効果測定は、以下のような方法があります。
広告を出した後と前で効果を比較する
広告を出した後と前で購買数や登録者数といった指標を設けて効果を測定する方法が代表的なオフライン広告の効果測定のやり方です。
あるアンケート調査では、広告宣伝担当者の63.4%が、「成果データの出稿前後比較」を行っているという結果が出ています。
安易に実施ができ、特定の単一データの推移を計測すれば結果が見えやすい効果測定の方法です。
出典:企業の広告宣伝担当者117人に聞いた、オフライン広告の効果測定手法に関するアンケート調査 | ADVA(アドバ)
広告を出した地域と出していない地域で比較する
広告を出す地域を絞り、出した地域と出していない地域で比較するのも、オフライン広告の効果測定のやり方の1つです。
こちらは広告の出稿前後比較に次いで行われている効果測定の方法で、約半数の方が利用しています。いくつかの方法を組み合わせて効果測定を行うことによって、より効果が分かりやすくなるでしょう。
アンケート調査をする
購入者や登録者へアンケートを実施し、製品・サービスの認知率やどの広告を見て購入してくれたのかなどを確認する手法です。
オフライン広告の効果はもちろん、自社の商品・サービスに対して顧客が抱いているイメージや使った後の感想も調査することができますので、非常に貴重な顧客の声を集めることもできるでしょう。
オフライン広告の成功事例
ネクスウェイでは、オフライン広告としてFAXDMの新規開拓営業をサポートしています。
今回は、ネクスウェイのFAXDMを利用した企業の成功事例をご紹介いたします。
リユース業で、商品買取にDM,FAXを使った事例
業務用機器の買取・販売などのリユース業を行っている、株式会社パシオリユース。
仕入れ先の獲得方法は、テレアポを利用し、一日数百件の企業にアプローチをしていましたが、思うように顧客数が伸びませんでした。
そこで、ニーズに合わせて業種を絞ったアプローチができるFAXDMを導入。従来よりアプローチする企業の数が格段に増えました。
電話では、残り少ない日数での連絡を増やすことは難しいですが、売上の数字を見ながら、もう少し売上を伸ばしたい時には追加でDMを送るなど、送信数をコントロールしながら活用しています。
また、訪問買取を行っているため、狙ったエリアに集中的にDMを送ることで、移動時間を最小限に抑えることが可能に。
顧客からの反応スピードも高く、取りこぼしのリスクも低くなったという事例があります。
入居者獲得のため仲介業者営業にFAXを活用した事例
賃貸マンションを全国で1,000物件以上展開しているビレッジハウス・マネジメント株式会社。
ブランドの認知拡大のために、営業戦略の柱としているのが、FAXDMです。
不動産業界では、間取り図などの物件情報をFAXを利用して送る文化が根付いているため、メールでのDMよりもFAXDMの有効性が高いと判断しました。
仲介会社からの照会件数を拡大するべく、1万店舗維持の仲介会社に対して、FAXDMで空室の案内や家賃変更のアナウンス、仲介会社向けのキャンペーン告知を行いました。
以上の施策の結果、約3年半で稼働率は2倍に。こうした成果を受け、法人契約の営業にもFAXDMを活用しています。
介護施設や教育機関向けにFAX,DMを活用した事例
介護施設や教育機関、一般企業へのおやつ定期宅配サービスを展開するたびスル株式会社。
介護施設や教育機関は、デスクに座ってパソコンに向かう業務が少ないため、Webでのアプローチは不向きと判断し、フィールドセールスを行っていました。
ですが、介護施設にとってFAXは重要な情報取得手段であるため、営業方法を大きく転換し、FAXDMの利用を開始。
すると予想以上の反響があり、顧客獲得単価も10分の1に、契約件数は従来の6倍以上に増加させることができました。
現在の顧客数は累計4500拠点にも上り、人数はなんと9万人を超えました。
まとめ
現在、オンライン広告が主流となっていますが、よりエリアターゲティングがしやすく、アクティブなユーザーに届けられるオフライン広告は、インターネットが普及した昨今においても効果が見込めます。
オフライン広告にはさまざまな種類があり、各媒体によってターゲットや目的、メリット・デメリットが異なります。
介護業界など、特定の業界にとってはオンライン広告よりもオフライン広告が有効な場合も多く、業界や狙っているターゲットによって使い分けることで、より高い効果が見込めるでしょう。